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日本百名湯の一つにも選ばれた本物の温泉


日奈久温泉は、日本経済新聞の企画によって2000~2002年に選ばれた名湯100ヶ所「日本百名湯」の一つにも選ばれた本物の温泉です。
日本の温泉の約7割が「加水」「加温」や、「循環湯」を使用していると言われている中、日奈久温泉では、加水・加温なしの天然温泉を源泉かけ流しで楽しむことができます。
本物の温泉にどっぷりと浸かってみませんか。


6つの源泉を混ぜ合わせた効能豊かな湯


季節に合った配湯で、気持ちよく入浴できる仕組み

 
日奈久温泉はほとんどの旅館・温泉施設において、共同源泉からの引き湯を利用しており、当店もその施設の一つです。
共同源泉では、泉質や湯温の異なる6つの泉源を混ぜ合わせて使用した混合泉。これにより、季節によって異なった温度や、泉質を楽しめるメリットがあるのです。

 

春から夏の気温が高い時期は、源泉温度40~43度の弱アルカリ性単純温泉の源泉を利用することで、加水なく100%の源泉を堪能できるよう配湯しています。
単純温泉とは成分が単純なのではなく、含有成分の量が一定に達していないものを言います。つまり体に優しい成分で刺激が少なく、湯あたりしにくい泉質で、夏にピッタリ。
弱アルカリ性単純温泉は、優しい泉質で子どもからお年寄りまで安心して入れる「家族の湯」、肌の角質をとる美肌成分が含まれる「美肌の湯」と言われるとてもいいお湯です。
暑さで疲れた心と体も、この温泉なら無理なく癒すことができます。
 
秋から冬の寒い時期は、単純温泉に源泉温度47~49度のナトリウム−塩化物泉を混ぜ、加温なく適温にして配湯します。
ナトリウム−塩化物泉は、保湿保温効果があるので、湯上がりも体温を逃しにくく、いつまでもぽかぽか。塩の成分の“パック”で湯冷めしにくく、「温まりの湯」とも呼ばれ、冬にピッタリの泉質なのです。
また、単純温泉の美肌効果と、ナトリウム−塩化物泉の保湿保温効果で、乾燥する冬でもしっとりする嬉しい効果があります。
もともと、温泉好きの人の中には、肌の角質をとる「美肌の湯(弱アルカリ性単純温泉)」に入った後に、塩化物泉の温泉に入って肌の乾燥を防ぐ「美人の仕上げ」をする人がいるそうなのですが、冬の日奈久の混合泉では、1つのお風呂で美人の仕上げができてしまうという一石二鳥の嬉しいお湯なんです。
 
このように、6つの泉源からその日の気温に合うように源泉を混ぜ合わせるので、熱すぎる・ぬるすぎるというようなことがありません。
いつも適温で、気持ちよく入浴できるのが日奈久の混合泉の魅力です。
また、混合泉だからこそ、各泉源の効能が豊かに混ざり合う、いいとこどりのお湯なのです。
当店では、このお湯を贅沢にかけ流しています。
季節ごとに違ったお湯を、堪能してみてください。


伝説のとおり「切り傷」に効くのか


温泉成分から読み取る日奈久温泉発祥の秘密

 
日奈久温泉発祥・繁栄の歴史には、戦による「刀傷」を治したと言われる切り傷への温泉効果が大きく関わっています。一体本当なのでしょうか。
温泉成分から読み解いてみます。

今から約600年前(1409年)、浜田六郎という若者が父親の刀傷を癒そうと神に祈ったところ、夢でお告げがあり、教わったところを調べてみると、温泉が湧き出ていたと伝えられています。 その場所というのは今の本湯(日奈久温泉センター)辺りです。
まず、日奈久の泉源は、山の谷間がつくる「迫」が海岸線につき当る二つの区域に集中しており、一つは「湯の迫」と呼ばれる区域(温泉神社から本湯辺り)で、もう一つは当店から正面に見える山の迫(西宝寺辺り)の区域です。この2つの区域は泉質が異なります。共同泉の6つの泉源は、湯の迫に4つ、もう一つの山の迫に2つあり、これらを混ぜ合わせて配湯しています。
六郎伝説によると、六郎の父・右近の刀傷は、温泉の力で治り、日奈久温泉は「親孝行の湯」として知られ、さらに日奈久の湯は傷に効くという噂が広まりました。
実際に、六郎が温泉を発見した「湯の迫」の成分には、切り傷に効くと言われる炭酸水素イオンが多く含まれていることがわかっています。
きっとこの炭酸水素イオンが六郎の父の刀傷を癒してくれたのでしょう。
また、もう一つの山の迫も塩の殺菌効果で傷に効く「傷の湯」とも呼ばれています。
日奈久温泉が傷に効く、というのは成分表から見ても本当だったことがわかりました。
ただし、怪我をしたばかりで傷がふさがっていない方は、感染症の危険がありますので入浴はご遠慮いただいております。